「かわいい」の語源は?古語「かわゆし」の意味と「かわいそう」との関係を解説

1. 感情・心の言葉

「赤ちゃんがかわいい。」

「この犬、かわいいね。」

「かわいい服を見つけた。」

「かわいい」は、今では人・動物・物・服・文字・仕草まで、非常に広く使われる言葉です。

しかし、昔から今と同じ意味だったわけではありません。

「かわいい」は、古語の

かわゆし(かはゆし)

にさかのぼります。

そして「かわゆし」は、もともと、

気恥ずかしい
気がひける

といった意味で使われていました。

そこから、

見るに忍びない
↓
気の毒だ・不憫だ
↓
愛らしい・かわいい

と意味が広がっていきます。

この記事では、「かわいい」の語源、古語「かわゆし」の意味、「かわいそう」との関係、「愛らしい」との違いまでわかりやすく解説します。

📖 「かわいい」とは?意味を簡単に

現在の「かわいい」には、いくつかの意味があります。

愛らしく、心をひかれる

もっとも一般的なのが、

愛らしく、好ましく感じる

という意味です。

  • かわいい子ども
  • かわいい犬
  • かわいい笑顔

などと使います。

相手への愛情や好意を含むこともあります。

小さくて愛らしい

「かわいい雑貨」
「かわいい花」

のように、

小さく、愛らしい
見た目が好ましい

という意味にも使われます。

現代では、人だけでなく物にまで広く使われる言葉です。

🌿 「かわいい」の語源は「かわゆし」

「かわいい」は、

かわゆい
さらに古くは
かわゆし(かはゆし)

という形にさかのぼります。

「かわゆし」は「顔映ゆし」に由来するとされる

「かわゆし」は、

顔映ゆし

に由来すると考えられています。

「映ゆし」は、

まばゆい
照れくさい
まともに向き合いにくい

といった感覚に関係する言葉です。

古い「かわゆし」も、

気がひける
恥ずかしい

という意味で使われていました。

最初から「愛らしい」ではなかった

現在の「かわいい」からは想像しにくいですが、

古い「かわゆし」は、

かわいらしい

という意味だけの言葉ではありませんでした。

まず、

気恥ずかしい・気がひける

という意味があり、

そこから意味が変化していきました。

🔍 「かわゆし」はどう意味が変わった?

「かわいい」の歴史で重要なのが、この意味の変化です。

「気恥ずかしい」から「見るに忍びない」へ

「かわゆし」は、

相手をまともに見ていられないような、

気まずさ
気恥ずかしさ

を表しました。

そこから、

見ていられない
見るに忍びない

という意味へ広がります。

「見るに忍びない」から「気の毒」へ

「見ていられない」という感覚は、

かわいそうで見ていられない

という意味にもつながりました。

そのため、中世には、

気の毒だ
不憫だ

という意味で多く使われています。

「気の毒」から「愛らしい」へ

さらに中世後半になると、

子どもなどへの憐れみや情愛から、

愛らしい
かわいい

という現在につながる意味が生まれました。

近世以降は、この「愛らしい」という意味が強くなっていきます。

「かわいい」と「かわいそう」は関係ある?

あります。

現代では、

かわいい
と
かわいそう

はまったく違う言葉に見えます。

しかし、歴史的には深く関係しています。

どちらも「かわゆし」につながる

「かわゆし」には、

気の毒だ
不憫だ

という意味がありました。

この意味は、

「かわいそう」

という表現にもつながっています。

一方で、

「かわゆし」の別の意味である、

愛らしい

という方向が、

現在の「かわいい」

として定着しました。

つまり、

かわいい
と
かわいそう

は、現在は意味が離れていても、歴史をたどると近いところにつながっています。

💬 「かわいい」と「愛らしい」の違い

「かわいい」と「愛らしい」はよく似ています。

「かわいい」は使える範囲が広い

「かわいい」は、

  • 人
  • 動物
  • 服
  • 雑貨
  • デザイン
  • 声
  • 仕草

など、非常に幅広く使えます。

「かわいい文字」

「かわいいバッグ」

のように、物にも自然に使えます。

「愛らしい」は愛情を感じさせるさま

「愛らしい」は、

かわいらしく、愛情を感じさせる

という意味です。

  • 愛らしい笑顔
  • 愛らしい子ども
  • 愛らしい仕草

などと使います。

現代語では、

かわいい
→ 日常的で用途が非常に広い

愛らしい
→ 愛情を感じさせる様子をやや丁寧に表す

という違いがあります。

「かわいい」は「守りたい」という意味?

「かわいい」と感じる対象に、

守りたい
大切にしたい

という気持ちを抱くことはあります。

ただし、

「守りたい」が語源そのもの

というわけではありません。

古い「かわゆし」の意味変化は、

気恥ずかしい
↓
見るに忍びない
↓
気の毒・不憫
↓
愛らしい

という流れで説明されます。

現在の「守りたい」という感情は、「かわいい」という感情に伴うことがあるものとして考える方が自然です。

「かわいい」は見た目だけの言葉?

見た目だけではありません。

仕草や性格にも使える

  • 笑い方がかわいい
  • 一生懸命なところがかわいい
  • 話し方がかわいい

など、外見以外にも使えます。

物にも使える

現代では、

  • かわいい服
  • かわいい文字
  • かわいい部屋
  • かわいい色

など、人や動物以外にも広く使われます。

そのため、「かわいい」は現在、

愛らしさや好ましさを幅広く表す言葉

になっています。

❓ 「かわいい」についてよくある質問

Q1. 「かわいい」の語源は?

古語「かわゆし(かはゆし)」にさかのぼり、「顔映ゆし」に由来すると考えられています。

Q2. 「かわゆし」とはどういう意味?

古くは「気がひける・恥ずかしい」という意味があり、その後「見るに忍びない」「気の毒だ」「愛らしい」へ意味が広がりました。

Q3. 昔の「かわいい」は「かわいそう」という意味だった?

「かわゆし」には「気の毒だ・不憫だ」という意味がありました。現在の「かわいい」と同じ意味だけではありません。

Q4. 「かわいい」と「かわいそう」は同じ語源?

歴史的には近い関係があります。古い「かわゆし」の「不憫だ」という意味が、「かわいそう」にもつながっています。

Q5. 「かわいい」は最初から「愛らしい」という意味?

いいえ。古くは「気恥ずかしい・気がひける」という意味でした。

Q6. 「かわゆし」はいつごろ使われていた?

『今昔物語集』には早い用例が確認されます。

Q7. 「かわいい」と「愛らしい」の違いは?

「かわいい」は非常に幅広く日常的に使われます。「愛らしい」は、愛情を感じさせるかわいらしさをやや丁寧に表す言葉です。

Q8. 「かわいい」の漢字は「可愛い」?

「可愛い」と書きますが、この表記は語源をそのまま表したものではありません。「かわいい」という語に後から漢字が当てられた表記です。

🌱 まとめ

「かわいい」は、

愛らしく、心をひかれる

ことを表す言葉です。

その歴史をたどると、

かわゆし(かはゆし)

に行き着きます。

ポイントをまとめると、

  • 「かわいい」は「かわゆい」の変化した形
  • さらに古くは「かわゆし(かはゆし)」
  • 「顔映ゆし」が語源と考えられている
  • 古くは「気がひける・恥ずかしい」という意味
  • そこから「見るに忍びない」へ広がった
  • 中世には「気の毒だ・不憫だ」の意味で多く使われた
  • 中世後半から「愛らしい」という意味が生まれた
  • 近世以降、現在の「かわいい」に近い意味が中心になった
  • 「かわいい」と「かわいそう」は歴史的に関係がある
  • 「守りたい」が直接の語源というわけではない
  • 現在は人・動物・物・仕草など幅広い対象に使える

「かわいい」という言葉は、

最初から、

小さくて愛らしいもの

を表していたわけではありません。

「まともに見ていられない」という感覚から、

気の毒で見ていられない

という意味が生まれ、

さらに、

愛らしくて心をひかれる

という意味へ広がっていきました。

何気なく使っている「かわいい」ですが、その意味は長い時間をかけて大きく変化してきた言葉なのです。

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