毎朝、何気なく使っている「おはよう」。
あまりにも身近な挨拶ですが、
「なぜ朝に『おはよう』と言うの?」
「『早い』と関係がある?」
「『おはようございます』とは何が違う?」
と考えると、意外と説明しにくい言葉です。
「おはよう」は、もともと「お早く」という表現が変化したものです。
相手が早い時間に出てきたことに対して「お早く」と声をかける表現から、やがて朝に初めて会ったときの挨拶として使われるようになりました。
この記事では、「おはよう」の意味と語源・由来、「おはようございます」との違い、昼や夜にも使われることがある理由、漢字表記までわかりやすく解説します。
「おはよう」とは?意味を簡単に
「おはよう」は、現在では朝に人と会ったときに交わす挨拶です。
家族や友人、同僚などに、
- おはよう。
- おはようございます。
と声をかけます。
「おはよう」は比較的くだけた表現で、「おはようございます」はより丁寧な表現です。
辞書では「おはよう」は感動詞として扱われています。
普段は「朝の挨拶」として覚えておけば問題ありませんが、もともとは現在より具体的な意味を持つ言葉でした。
「おはよう」の語源・由来
「おはよう」は、「お早く」から変化した言葉です。
「お早く」の「早く」は、形容詞「早い」の連用形です。
「お早く」が「おはよう」になった
「早く」は、古い発音の変化によって「はよう」という形になることがあります。
たとえば、
「早く来なさい」
↓
「はよう来なさい」
のような形です。
そこに丁寧さを添える接頭語「お」が付いた、
お+はよう=おはよう
が現在の挨拶につながっています。
辞書でも「おはよう」は、形容詞「おはやい」の連用形「おはやく」が変化したものと説明されています。
最初から「朝の挨拶」だけではなかった
「おはよう」は、もともと相手が早く出てきたことに対する挨拶として使われました。
精選版日本国語大辞典では、1699年の浄瑠璃に「お早ふ」という用例が確認されています。
一方、「朝、初めて会ったときの挨拶」という現在に近い用例は、1836年の人情本に見られます。
つまり、
「早いですね」という挨拶
↓
朝に会ったときの挨拶
へと使い方が定着していったと考えると分かりやすいでしょう。
なぜ朝に「おはよう」と言うの?
語源を知ると、朝の挨拶になった理由も理解しやすくなります。
朝は「早く会う」時間だった
朝に顔を合わせた相手は、その日の早い時間から活動しています。
そこで、相手が早く出てきたことに対して使われていた「お早く」という表現が、朝の挨拶として定着していきました。
現在では実際に相手が早起きしたかどうかは関係ありません。
午前9時でも10時でも、その日に初めて会った場面なら「おはようございます」と言うことがあります。
「早くからご苦労さま」の略なの?
「おはよう」の語源について、
「お早くからご苦労さまです」の略
などと説明されることがあります。
相手の早い出勤をねぎらう表現だったという解説もあります。
ただし、辞書では「おはよう」そのものについて、「おはやく」が変化した言葉と説明されています。
そのため、
「『お早くからご苦労さま』という決まった長い文章が短縮されて『おはよう』になった」
と断定するより、
相手が早く出てきたことへの「お早く」という挨拶がもとになった
と理解する方が確実です。
「おはようございます」の意味
「おはようございます」は、「おはよう」をより丁寧にした挨拶です。
「ございます」が付いた丁寧な表現
「ございます」は、「ある」の丁寧な表現です。
現在では、
おはようございます
全体で朝の丁寧な挨拶として定着しています。
たとえば、
- 上司
- 先生
- 取引先
- あまり親しくない相手
などには「おはようございます」が自然です。
「おはよう」との違い
簡単に分けると、
おはよう:くだけた挨拶
おはようございます:丁寧な挨拶
です。
友人同士なら、
「おはよう!」
で問題ありません。
職場で上司に声をかけるなら、
「おはようございます」
の方が適しています。
デジタル大辞泉でも、「おはよう」を丁寧に言う場合は「おはようございます」と説明されています。
「おはよう」は何時まで使える?
「おはよう」を何時まで使えるかについて、全国共通の厳密な時刻ルールがあるわけではありません。
一般には朝の時間帯に使いますが、職場や業界によって使い方が異なることがあります。
一般的には朝の挨拶
家庭や学校、一般的な職場では、朝に会ったとき、
「おはよう」
「おはようございます」
と挨拶します。
昼に近づくと「こんにちは」に切り替える人が多いでしょう。
ただし、「午前○時まで」という絶対的な決まりがある言葉ではありません。
大切なのは「その日初めて会ったか」
職場では、時間だけでなく、
その日に初めて顔を合わせたとき
という意味合いで「おはようございます」が使われることがあります。
そのため、勤務開始時刻が遅い職場などでは、昼や夕方でも「おはようございます」と挨拶する場合があります。
なぜ芸能界や夜の仕事でも「おはようございます」と言うの?
テレビ・舞台・飲食店など、勤務開始時刻が一定でない仕事では、午後や夜でも「おはようございます」と挨拶することがあります。
これは必ずしも「朝だから」という意味ではありません。
その日の仕事で初めて会ったときの挨拶
として使われているためです。
たとえば、午後3時から仕事が始まる現場で、
「おはようございます」
と声をかけることがあります。
語源にもともと「相手が早く出てきたことへの挨拶」という性格があったことを考えると、「出会った時点の挨拶」として使われるのも理解しやすいでしょう。
「おはよう」の漢字は?
「おはよう」は、
御早う
お早う
などと漢字を使って書くことができます。
ただし、現代では、
おはよう
おはようございます
とひらがなで書くのが一般的です。
辞書には「御早う」という表記も掲載されていますが、日常のメールやメッセージで無理に漢字にする必要はありません。
「おはよう」と「こんにちは」の違い
どちらも出会ったときの挨拶ですが、基本的に使う時間帯が異なります。
「おはよう」は朝
「おはよう」は、朝に初めて会った相手に使います。
- おはよう。
- おはようございます。
などと使います。
親しい相手から仕事上の相手まで幅広く使える挨拶です。
「こんにちは」は昼間
「こんにちは」は、主に昼間に人と会ったときに使う挨拶です。
そのため、一般的な生活では、
朝:おはようございます
昼:こんにちは
夜:こんばんは
という使い分けになります。
ただし、職場独自の習慣などによって、「おはようございます」が昼以降にも使われる場合があります。
「おはよう」は家族にも使う?
もちろん使えます。
「おはよう」は非常に日常的な挨拶なので、
- 家族
- 友人
- 恋人
- 同僚
- 学校の友達
など、幅広い相手に使えます。
親しい相手なら「おはよう」。
丁寧に挨拶する相手なら「おはようございます」。
という使い分けが基本です。
「おはよう」の返事は何が自然?
「おはよう」と言われたら、基本的には同じように返せば問題ありません。
親しい相手への返事
- おはよう!
- おはよう。
- おはよー。
などで自然です。
職場や目上の人への返事
- おはようございます。
- おはようございます。今日もよろしくお願いします。
などが使えます。
相手が「おはよう」と言ったからといって、必ず同じくだけた表現で返す必要はありません。
相手との関係に合わせて「おはようございます」と返しても問題ありません。
「おはよう」の語源についてよくある質問
Q1. 「おはよう」の語源は何ですか?
「おはよう」は、「おはやく(お早く)」が変化した言葉です。
もともとは、相手が早く出てきたことに対する挨拶として使われました。
Q2. 「おはよう」は「お早くからご苦労さま」の略ですか?
そのように紹介されることがありますが、辞書では「おはよう」自体を「おはやく」が変化したものと説明しています。
そのため、「決まった長文がそのまま省略された」と断定するより、相手が早く出てきたことへの挨拶が由来と考える方が安全です。
Q3. 「おはようございます」の「ございます」とは?
「ございます」は「ある」の丁寧な言い方です。
現在では「おはようございます」全体で、朝の丁寧な挨拶として使われています。
Q4. 「おはよう」は漢字で書けますか?
「御早う」「お早う」などと書けます。
ただし、現在の日常表記では「おはよう」とひらがなで書くのが一般的です。
Q5. 昼や夜に「おはようございます」と言うのは間違い?
必ずしも間違いではありません。
勤務時間が不規則な職場などでは、「その日に初めて会ったときの挨拶」として午後や夜にも使われることがあります。
一般的な生活では朝に使う挨拶です。
Q6. 「おはよう」はいつから使われていますか?
精選版日本国語大辞典では、相手が早く出てきたことへの挨拶として1699年の用例が掲載されています。
朝の挨拶としての用例は1836年の文献に確認できます。
まとめ
「おはよう」は、「お早く」という表現が変化して生まれた挨拶です。
ポイントをまとめると、
- 「おはよう」は「おはやく」が変化した言葉
- もともとは相手が早く出てきたことへの挨拶だった
- やがて朝に初めて会ったときの挨拶として定着した
- 「おはようございます」は「おはよう」の丁寧な表現
- 漢字では「御早う」「お早う」と書ける
- 現在はひらがなの「おはよう」が一般的
- 職場によっては昼や夜でも「その日の最初の挨拶」として使われる
- 「お早くからご苦労さま」の省略と断定するより、「おはやく」から生まれたと考える方が辞書に沿っている
毎日使う「おはよう」には、「早い」という言葉がそのまま残っています。
何気ない朝の挨拶ですが、もともとは早く顔を合わせた相手への言葉だったと知ると、「おはよう」という表現の成り立ちも分かりやすくなるでしょう。

