「あう」は、文脈によって「会う」「合う」「遭う」を使い分けます。
結論からいうと、
人と顔を合わせる → 会う
一致する・調和する → 合う
事故や災難など好ましくない出来事に出くわす → 遭う
と考えると判断しやすくなります。
「会う」「合う」「遭う」の違い
まずは3つの違いを整理してみましょう。
| 表記 | 主な意味 | 例 |
|---|---|---|
| 会う | 人と顔を合わせる | 友人に会う、先生に会う |
| 合う | 一致する、調和する | 答えが合う、服が合う |
| 遭う | 思わぬ出来事・好ましくないことに出くわす | 事故に遭う、災難に遭う |
迷ったときは、「人なのか」「一致なのか」「災難なのか」を見るのが基本です。
具体例で見る「会う」「合う」「遭う」の使い分け
「友達にあう」は「会う」
人と顔を合わせる場合は「会う」です。
駅で友達に会った。
久しぶりに先生に会う。
明日、取引先の担当者に会う予定だ。
約束して会う場合だけでなく、偶然知人と顔を合わせた場合も、通常は「会う」を使います。
駅でばったり友人に会った。
「偶然だから遭う」と考えたくなることもありますが、人と顔を合わせたことに焦点があるなら「会う」が自然です。
「答えがあう」「意見があう」は「合う」
二つ以上のものが一致する場合は「合う」です。
答えが合う。
二人の意見が合った。
時計の時刻が合っている。
話の内容が合わない。
「一致する」に言い換えられるなら、「合う」と考えると分かりやすいでしょう。
「服があう」「好みにあう」も「合う」
調和したり、条件に適していたりする場合も「合う」です。
この服はあなたによく合う。
この色は部屋の雰囲気に合っている。
自分の好みに合う店を見つけた。
この仕事は自分に合っている。
この場合は、人と会うわけではありません。
「ぴったりくる」「調和する」「適している」という意味なので「合う」です。
「事故にあう」は「遭う」
事故・災難など、思いがけない好ましくない出来事に出くわす場合は「遭う」です。
交通事故に遭う。
旅先で災難に遭った。
大雨に遭う。
思わぬトラブルに遭った。
「遭う」には、望んでいない出来事に出くわすというニュアンスがあります。
迷いやすい「あう」のケース
「雨にあう」は「遭う」
外出先で突然雨に降られるような場合は、
にわか雨に遭った。
と書けます。
予定していなかった雨に出くわした、という意味だからです。
一方、「雨と合う」「雨と会う」とは通常書きません。
「目があう」は「合う」
人と人の視線が一致する場合は「合う」です。
電車の中で知らない人と目が合った。
相手と顔を合わせているので「会う」と迷うかもしれませんが、ここでは視線が一致することを表しているので「合う」です。
「気があう」も「合う」
性格や考え方がしっくりくる場合も「合う」です。
あの人とは気が合う。
趣味も考え方もよく合う。
「気が会う」ではありません。
人そのものではなく、気持ちや感覚が一致することを表しています。
「偶然人にあった」は「会う」が基本
道で偶然、昔の友人に会った。
この場合は「会う」が自然です。
「遭う」には思わぬ出来事に出くわす意味がありますが、人との対面を普通に表すなら「会う」を使います。
文化庁の資料でも、「駅でばったり友人とあった」は「友人と顔を合わせる」という見方から「会う」とするのが一般的とされています。
「会う」と「合う」が同じ文に入ることもある
違いが分かりやすいのが、次のような文です。
初めて会ったのに、すぐに気が合った。
ここでは、
人と顔を合わせる → 会う
気持ちや相性が一致する → 合う
と使い分けています。
同じ「あう」でも、何を表しているかによって漢字が変わります。
「出会う」は「出合う」とも書く?
「であう」には「出会う」「出合う」などの表記があります。
人との対面や巡り合いを表す場合は、
素敵な人と出会う。
忘れられない作品と出会う。
のように「出会う」が広く使われます。
一方、「出合う」は、物事が出くわす・交わるといった意味で使われることがあります。
ただ、「あう」そのものの使い分けを考えるときは、まず会う・合う・遭うの3つを区別できれば十分です。
迷ったときの見分け方
「あう」を漢字にするときは、次の3点を確認します。
人と顔を合わせるなら「会う」
- 友人に会う
- 先生に会う
- 客に会う
- 偶然知人に会う
「対面する」に近ければ「会う」です。
一致・調和・適合なら「合う」
- 答えが合う
- 意見が合う
- 服が合う
- 気が合う
- 目が合う
「一致する」「しっくりくる」に近ければ「合う」です。
災難や思わぬ出来事なら「遭う」
- 事故に遭う
- 災難に遭う
- 大雨に遭う
- トラブルに遭う
「思わぬ出来事に出くわす」なら「遭う」です。
まとめると「人・一致・災難」で見分ける
「会う」「合う」「遭う」で迷ったら、
人と対面する → 会う
一致・調和する → 合う
好ましくない出来事に出くわす → 遭う
と覚えるとシンプルです。
特に迷いやすいのは、
目があう → 目が合う
気があう → 気が合う
偶然友人にあう → 友人に会う
事故にあう → 事故に遭う
というケースです。
「何とあうのか」だけでなく、その文で「あう」が何を意味しているのかを見ると、漢字を選びやすくなります。
