夜、人に会ったときに使う「こんばんは」。
毎日のように使う挨拶ですが、
「なぜ最後が『は』なの?」
「漢字では『今晩は』?」
「もともと後ろに何が続いていたの?」
「こんばんわ、と書くのは間違い?」
と考えると、意外と疑問の多い言葉です。
「こんばんは」は、もともと「今晩は……」と相手に話しかける表現の後半が省略され、挨拶として独立した言葉です。
そのため、発音は「わ」でも、現在の標準的な表記は「こんばんは」です。
この記事では、「こんばんは」の意味・語源・由来、「今晩は」の後ろに何が続いていたのか、「こんばんわ」との違い、何時から使うのが自然なのかまでわかりやすく解説します。
「こんばんは」とは?意味を簡単に
「こんばんは」は、夜、人に会ったときや訪問したときに使う挨拶です。
たとえば、
- こんばんは。
- こんばんは、お久しぶりです。
- こんばんは。おじゃまします。
などと使います。
漢字では、
今晩は
と書くことができます。
「今晩」は「今日の晩」「今夜」という意味です。
現在では「こんばんは」全体で一つの夜の挨拶として定着しています。
「こんばんは」の語源・由来
「こんばんは」は、もともと、
今晩は……
と続く表現の後半が省略されたものです。
辞書でも、「今晩は…」と続けた挨拶の後半が省略され、一語の挨拶になったと説明されています。
「今晩は」はもともと文章の途中だった
現在は、
「こんばんは!」
だけで挨拶が成立します。
しかし、もともとの「今晩は」は、
「今晩は○○ですね」
のように、その夜のことについて話しかける文の冒頭でした。
「今晩は」の「は」は、話題を示す助詞です。
つまり、
今晩+は
という構造です。
「今晩について言えば……」
というところから会話を始めていたわけです。
後半が省略されて挨拶になった
こうした「今晩は……」という声かけが繰り返し使われるうちに、後半を言わなくても挨拶として意味が通じるようになりました。
そして、
「今晩は……」
↓
「今晩は」
↓
「こんばんは」
と、一つの挨拶として定着しました。
「こんばんは」の後ろには何が続いていたの?
ここはよく疑問に思われるところです。
「こんばんは」の語源について、
- 今晩は良い晩ですね
- 今晩はいかがお過ごしですか
- 今晩はご機嫌いかがですか
などが省略されたと紹介されることがあります。
ただし、「この一文が必ず元になった」と特定できるわけではありません。
辞書で確認できるのは、
「今晩は……」と続く挨拶の後半が省略された
というところまでです。
したがって、
「『今晩は良い晩ですね』がそのまま短縮された」
などと一つの文章に限定して説明するのは避けた方が正確です。
大切なのは、
「今晩は」で文が終わっていたのではなく、もともとは後ろに言葉が続く形だった
という点です。
「今晩」とはどんな意味?
「今晩」は、
今日の晩
今夜
という意味です。
たとえば、
- 今晩は冷えそうです。
- 今晩は家で過ごします。
- 今晩、食事に行きませんか。
などと使います。
挨拶の「こんばんは」も、この「今晩」から生まれています。
ただし、
「今晩は寒いですね」
の「今晩は」は文章の一部。
「こんばんは!」
の「こんばんは」は挨拶。
現在では同じ音でも役割が異なります。
なぜ「こんばんわ」ではなく「こんばんは」なの?
発音すると、
こんばんわ
と聞こえます。
それでも、標準的な表記は、
こんばんは
です。
最後の「は」は助詞だから
語源を見ると理由は明確です。
「こんばんは」は、
今晩+は
からできています。
最後の「は」は、話題を示す助詞です。
日本語では助詞の「は」は、発音では「わ」でも、表記では「は」と書きます。
たとえば、
- 私は
- 今日は
- 明日は
と同じです。
そのため、
こんばんは
と書きます。
「こんばんわ」は完全な誤字?
一般的な文章や学校教育、公的な表記では、「こんばんは」が標準です。
「こんばんわ」は、SNSやメッセージなどでくだけた書き方として見かけることがあります。
しかし、正式な文章では「こんばんは」を使うのが適切です。
文化庁の国語審議会資料でも、「こんにちは」「こんばんは」は、語源となった助詞「は」の働きが残っているものとして扱われています。
「こんばんは」と「こんにちは」が似ている理由
「こんばんは」と「こんにちは」は、よく似た作りの挨拶です。
どちらも、もともとは文章の途中でした。
「こんばんは」
今晩は……
から生まれました。
「今晩について言えば……」と話しかける表現です。
「こんにちは」
「こんにちは」も、
今日は……
と続く表現が挨拶として独立したものです。
そのため、どちらも最後を「わ」ではなく、
は
と書きます。
つまり、
こんにちは
こんばんは
は、成り立ちの似た挨拶なのです。
「こんばんは」はいつから使われている?
「こんばんは」は江戸時代にはすでに挨拶として使われていました。
辞書では、夜の挨拶としての「今晩は」の用例が、1779年ごろの洒落本に確認されています。
つまり、少なくとも江戸時代後期には、現在につながる「こんばんは」という挨拶が使われていたことがわかります。
「こんばんは」は何時から使う?
「こんばんは」を使い始める時刻について、全国共通の厳密な決まりはありません。
基本的には、夕方から夜にかけて使います。
時刻より周囲の明るさや場面で判断する
一般的には、
朝 → おはようございます
昼 → こんにちは
夕方・夜 → こんばんは
と変わります。
ただし、季節によって日が沈む時刻は違います。
そのため、
「午後5時になったら必ずこんばんは」
というような絶対的なルールではありません。
周囲が暗くなり、夜の挨拶が自然に感じられる時間帯になったら「こんばんは」を使えばよいでしょう。
夕方は「こんにちは」と迷うこともある
夕方は、
「こんにちは」
「こんばんは」
のどちらを使うか迷いやすい時間帯です。
明るいうちは「こんにちは」。
日が暮れて夜らしくなってきたら「こんばんは」。
という感覚で使い分けると自然です。
「こんばんは」と「今晩は」の違い
意味の大きな違いというより、表記と使い方の違いがあります。
挨拶なら「こんばんは」が一般的
現在では、
「こんばんは」
とひらがなで書くのが一般的です。
メールやメッセージでも、
「こんばんは。先日はありがとうございました。」
のように使います。
「今晩は」は漢字表記
漢字では、
今晩は
と書くこともできます。
ただし、
「今晩は雨になりそうです」
と書いた場合は、
今日の晩は雨になりそうです
という普通の文章としても読めます。
そのため、挨拶なら「こんばんは」とひらがなで書いた方が分かりやすいでしょう。
「こんばんは」の使い方・例文
「こんばんは」は夜の基本的な挨拶です。
普段の挨拶
- こんばんは。
- こんばんは。今日は寒いですね。
- こんばんは、お久しぶりです。
親しい相手から、あまり親しくない相手まで幅広く使えます。
訪問したとき
- こんばんは。おじゃまします。
- こんばんは。遅い時間に失礼します。
夜に人の家を訪問したときにも自然です。
メールやメッセージ
夜に送る個人的なメッセージなら、
「こんばんは。突然のご連絡失礼します。」
のように始めることもできます。
ただし、ビジネスメールでは「こんばんは」より、
「お世話になっております」
などの定型的な挨拶を使うことが多いでしょう。
「こんばんは」についてよくある質問
Q1. 「こんばんは」の語源は何ですか?
「今晩は……」と続く挨拶の後半が省略され、夜の挨拶として独立したものです。
「今晩」は「今日の晩」「今夜」という意味です。
Q2. 「こんばんは」の後ろには何が続いていたの?
特定の一文に決まっていたとは確認できません。
「今晩は○○ですね」など、夜について話しかける挨拶の後半が省略されたと考えるのが正確です。
Q3. 「こんばんは」と「こんばんわ」はどちらが正しい?
標準的な表記は、
こんばんは
です。
最後の「は」は助詞なので、発音が「わ」でも「は」と書きます。
Q4. 漢字ではどう書く?
今晩は
と書けます。
ただし、現在は挨拶なら「こんばんは」とひらがなで書くのが一般的です。
Q5. 「こんばんは」は何時から使う?
厳密な時刻の決まりはありません。
一般には夕方から夜に使い、周囲が暗くなって夜らしくなったころから「こんばんは」が自然になります。
Q6. 「こんばんは」と「こんにちは」は同じ語源?
まったく同じ言葉ではありませんが、成り立ちはよく似ています。
「こんばんは」は「今晩は……」、「こんにちは」は「今日は……」と続く表現が、それぞれ挨拶として独立したものです。
まとめ
「こんばんは」は、「今晩は……」と続く表現の後半が省略されて生まれた夜の挨拶です。
ポイントをまとめると、
- 「今晩」は「今日の晩」「今夜」という意味
- 「今晩は……」と続く文章から挨拶が生まれた
- 後ろに続いた言葉を一つの決まった文章に限定することはできない
- 最後の「は」は助詞なので「こんばんわ」ではなく「こんばんは」と書く
- 漢字では「今晩は」と書ける
- 現在はひらがなの「こんばんは」が一般的
- 江戸時代には夜の挨拶として使われていた例が確認できる
- 何時から使うかに厳密な決まりはなく、夕方から夜に使う
「こんばんは」の最後がなぜ「は」なのか不思議に思ったら、
もともとは「今晩は……」という文章だった
と覚えておくと分かりやすいでしょう。

