「ちゃんと謝りなさい。」
「先ほどの件について謝る。」
「ごめんなさい」と言うことも、「すみません」と言うことも、広い意味では「謝る」ことです。
では、なぜ「あやまる」が、
自分の非を認めて許しを求める
という意味になったのでしょうか。
結論からいうと、辞書では「謝る」は、
「誤る」と同語源
とされています。
つまり、
誤り・過ちがある
↓
その非を認める
↓
相手に許しを求める
という関係から、現在の「謝る」という意味につながっています。
この記事では、「謝る」の意味・語源、「誤る」との関係、「詫びる」「ごめんなさい」「申し訳ない」との違いまでわかりやすく解説します。
📖 「謝る」とは?意味を簡単に
「謝る」は、
自分が悪かったと思い、相手に許しを求める
という意味です。
基本は「非を認めてわびる」
たとえば、
- 相手に失礼をして謝る
- 約束を破って謝る
- ミスについて謝る
などと使います。
単に「ごめんなさい」と言葉を発するだけではなく、
自分の非や過失について許しを求める行為
を表します。
「謝る」には別の意味もある
「謝る」には、
閉口する
まいる
辞退する
という用法もあります。
たとえば、
「あの人の頑固さには謝るよ。」
なら、
参った・かなわない
という意味です。
また、
「そんな面倒な役目は謝る。」
のように、
ごめんこうむる・辞退する
という意味で使われることもあります。
🌿 「謝る」の語源
「謝る」の語源を考えるときに重要なのが、
「誤る」と同語源
という点です。
「謝る」と「誤る」はもともとつながっている
現代では、
謝る
→ わびる
誤る
→ 間違える
と別の言葉に見えます。
しかし辞書では、この2つは同語源とされています。
「あやまる」という語には、
間違える・過失を犯す
という意味があり、
そこから、
自分の誤りを認めて許しを求める
という意味の「謝る」が生じたと考えられています。
「謝する」から生まれた言葉ではない
「謝罪」「感謝」「謝意」などを見ると、
「謝る」は漢語の「謝する」からできたようにも見えます。
しかし、日本語の「あやまる」そのものについては、
「誤る」と同語源
とするのが辞書の説明です。
つまり、
謝する → 謝る
という単純な流れで説明するのは適切ではありません。
🔍 なぜ「誤る」が「謝る」になるの?
意味のつながりは比較的わかりやすいです。
誤りを認めることから謝罪へ
人が謝るのは、
自分に、
誤り
過失
非
があると認めたときです。
そのため、
誤る
↓
自分の誤りを認める
↓
相手に許しを求める
という意味の広がりが生じました。
実際、謝罪の意味の「あやまる」は、中世末から近世初めの用例が確認されています。
漢字「謝」は後から意味に合わせて使われる
日本語の「あやまる」に、
謝
という漢字が当てられています。
「謝」には中国語・漢語で、
- わびる
- 礼を述べる
- 辞退する
など複数の意味があります。
日本語の「あやまる」のうち、
わびる
という意味に合うため、「謝る」という表記が定着しています。
💬 「謝る」と「詫びる」の違い
「謝る」と「詫びる」は非常に近い言葉です。
「謝る」は日常的で広い
「謝る」は、
「ちゃんと謝って。」
「先生に謝った。」
のように、日常会話で広く使われます。
自分の非を認めて許しを求める行為全体を表しやすい言葉です。
「詫びる」は気持ちを表す意味が強い
「詫びる」は、
自分の非礼や過失を申し訳なく思い、その気持ちを言葉や態度に表す
という意味が強い言葉です。
たとえば、
「非礼を詫びる。」
「遅れたことを詫びる。」
のように使います。
辞書でも、「謝る」は日常口語で使われやすく、「詫びる」は自分の気持ちを言葉や態度に表す意味が強いと説明されています。
「謝る」と「ごめんなさい」の違い
この2つは、役割が違います。
「謝る」は行為そのもの
「謝る」は動詞です。
つまり、
相手に許しを求める行為
そのものを表します。
「ごめんなさい」は謝るときに使う言葉
「ごめんなさい」は、
実際に謝罪するときに口にする表現の一つです。
そのため、
「ごめんなさい」と言って謝る
という文が成立します。
つまり、
謝る
→ 行為
ごめんなさい
→ その行為で使う表現
という関係です。
「謝る」と「申し訳ない」の違い
「申し訳ない」は、
弁解のしようがないほど相手にすまない
という気持ちを表します。
一方「謝る」は、
その気持ちを持って、
相手に許しを求める行為
を表します。
たとえば、
「申し訳ないと思って謝った。」
という言い方ができます。
この一文でも、
「申し訳ない」は気持ち、
「謝る」は行為
という違いがわかります。
「謝る」と「すみません」の違い
「すみません」も、謝るときによく使います。
「すみません」は実際の表現
「すみません」は、
- 謝罪
- 感謝
- 呼びかけ
など、複数の場面で使われます。
謝罪場面では、
「遅れてすみません。」
のように使います。
「謝る」は上位概念
「ごめんなさい」
「すみません」
「申し訳ありません」
はいずれも、状況によって、
謝るために使う表現
になります。
その意味で、「謝る」は個々の謝罪表現より広い言葉です。
「謝罪」と「謝る」は同じ?
意味は非常に近いですが、品詞と使い方が違います。
「謝る」は動詞
「本人が謝る。」
のように使います。
「謝罪」は名詞
「正式に謝罪する。」
「謝罪を求める。」
のように使います。
「謝罪する」は、日常的な「謝る」よりも、
改まった場面
で使われやすい表現です。
「謝る」と「誤る」は今でも関係ある?
語源的には関係がありますが、現代では意味を明確に使い分けます。
「誤る」は間違えること
- 判断を誤る
- 操作を誤る
- 道を誤る
などと使います。
「謝る」は許しを求めること
- ミスをして謝る
- 相手に謝る
- 素直に謝る
などと使います。
つまり現代では、
誤る
→ 間違える
謝る
→ わびる
と使い分けられています。
❓ 「謝る」についてよくある質問
Q1. 「謝る」の意味は?
自分が悪かったと思い、相手に許しを求めることです。
Q2. 「謝る」の語源は「謝する」?
辞書では「謝る」は「誤る」と同語源とされています。「謝する」から直接できた語と考えるのは適切ではありません。
Q3. 「謝る」と「誤る」は同じ語源?
はい。辞書では同語源とされています。
Q4. なぜ「誤る」から「謝る」になったの?
自分の誤りや過失を認め、その許しを求めることから、謝罪の意味が生じたと考えられています。
Q5. 「謝る」と「詫びる」の違いは?
どちらも謝罪を表しますが、「謝る」は日常的で広く、「詫びる」は申し訳ない気持ちを言葉や態度に表す意味が強い傾向があります。
Q6. 「ごめんなさい」と「謝る」は同じ?
「謝る」は行為、「ごめんなさい」は実際に謝るときに使う言葉です。
Q7. 「申し訳ない」と「謝る」は同じ?
「申し訳ない」は気持ちを表し、「謝る」は相手に許しを求める行為を表します。
Q8. 「謝る」には謝罪以外の意味もある?
あります。「閉口する・まいる」「辞退する」といった意味もあります。
🌱 まとめ
「謝る」は、
自分の非を認めて、相手に許しを求める
という意味の言葉です。
ポイントをまとめると、
- 「謝る」は「誤る」と同語源
- 「謝する」から直接生まれた語ではない
- 「誤る」は間違えること
- 「謝る」は誤りを認めて許しを求めること
- 謝罪の意味の「あやまる」は中世末〜近世初めには確認される
- 「謝る」は日常的な口語で使いやすい
- 「詫びる」は申し訳ない気持ちを表す意味が強い
- 「ごめんなさい」は謝るときの具体的な表現
- 「申し訳ない」は申し訳なく思う気持ち
- 「謝罪」は名詞で、改まった場面でも使われる
- 「謝る」には「閉口する・まいる」「辞退する」という意味もある
「謝る」と「誤る」は、
現代ではまったく違う意味に見えます。
しかし歴史的には、
誤りを犯すこと
と
その誤りを認めて許しを求めること
が同じ「あやまる」という言葉の中でつながっています。
だから「謝る」という言葉を理解するときは、
「事情を説明する言葉だった」
と考えるより、
「誤り」と「謝罪」のつながり
を見る方が、日本語の歴史に沿った理解になります。

