「なおす」は「直す」「治す」どっち?意味・使い分けを例文で解説

6. 言葉の違い・使い分け

「風邪をなおす」「壊れた時計をなおす」「姿勢をなおす」――同じ「なおす」でも、使う漢字は同じではありません。

結論からいうと、病気・けが・体の不調をよくするなら「治す」、それ以外の間違い・故障・乱れなどを正すなら「直す」と考えると判断しやすくなります。

「風邪を治す」「けがを治す」は「治す」。

「時計を直す」「姿勢を直す」「文章を直す」は「直す」です。

「直す」と「治す」の違いを一言で整理

表記意味の中心判断の目安例
直す悪い状態・間違い・乱れなどを正す修理・修正・改善か時計を直す、誤字を直す
治す病気・けが・体の不調をよくする治療・回復に関係するか風邪を治す、けがを治す

迷ったときのポイントは、「体に関係するか」ではなく、「病気やけがなどを治療しているか」です。

たとえば「姿勢」は体に関係しますが、病気やけがそのものではないので「姿勢を直す」が自然です。

「治す」を使うのは、病気・けが・症状をよくするとき

「治す」は、病気やけがなどを健康な状態へ戻すときに使います。

  • 風邪を治す
  • けがを治す
  • 虫歯を治す
  • 肩の痛みを治す
  • 病気を治す

「治療する」と言い換えて意味が通るかどうかを考えると、判断しやすくなります。

たとえば「虫歯を治す」は、虫歯を治療して健康な状態にするという意味です。

「直す」を使うのは、故障・間違い・乱れなどを正すとき

「直す」は、壊れた物を修理したり、間違いや乱れを正したりするときに広く使います。

  • 自転車を直す
  • 誤字を直す
  • 服装を直す
  • 機嫌を直す
  • 生活習慣を直す

「元のよい状態に戻す」「正しい状態に改める」という意味なら、基本的に「直す」です。

体に関係する「なおす」は特に迷いやすい

「体のことだから全部『治す』」と覚えると、迷いやすい表現で間違えます。

同じ体に関係する言葉でも、治療するのか、形・癖・状態を正すのかで漢字が変わります。

「姿勢をなおす」は「直す」

姿勢を正しい形に改めるので、「姿勢を直す」です。

例:猫背になっていたので、意識して姿勢を直した。

姿勢そのものを病気として治療しているというより、姿勢の形や状態を正しているため「直す」を使います。

「癖をなおす」は「直す」

癖や習慣を改める場合も、「癖を直す」です。

例:爪をかむ癖を直したい。

性格や話し方などについても、「悪いところを改める」という意味なら「直す」を使います。

「虫歯をなおす」は「治す」

虫歯は治療の対象なので、「虫歯を治す」です。

例:早めに歯科医院へ行って、虫歯を治した。

同じ歯に関係する表現でも、「歯並びを直す」のように形や並びを正すことを表す場合は「直す」が使われます。

「化粧をなおす」「機嫌をなおす」はどっち?

どちらも「直す」です。

「化粧を直す」は、崩れた化粧を整え直すという意味です。

例:食事のあとに化粧を直した。

「機嫌を直す」は、悪くなった機嫌を元の状態に戻すという意味です。

例:そんなに怒らないで、そろそろ機嫌を直して。

病気やけがの治療ではないため、「治す」にはしません。

迷ったら「治療できるものか」で考える

「直す」と「治す」で迷ったときは、次の順番で考えると簡単です。

  1. 病気・けが・体の不調を治療する → 治す
  2. 故障・間違い・乱れ・癖などを正す → 直す

特に注意したいのは、体に関係する言葉でも「直す」になることがある点です。

表現自然な表記理由
風邪をなおす風邪を治す病気を治療する
けがをなおすけがを治すけがを回復させる
姿勢をなおす姿勢を直す形・状態を正す
癖をなおす癖を直す習慣を改める
時計をなおす時計を直す故障を修理する
文章をなおす文章を直す間違いや表現を修正する

「治療する」なら治す。それ以外の「正す・修理する・改める」なら直す。この基準で考えると、多くの「なおす」を自分で判断できます。

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