食事を終えたあとに言う、
「ごちそうさま」
私たちにとって、とても身近な食事のあいさつです。
漢字では、
御馳走様
と書きます。
この「馳走」という言葉は、もともと料理そのものを意味していたわけではありません。
古くは、
走り回ること
人のために奔走すること
を表す言葉でした。
そこから、人をもてなすためにあれこれと準備することを「馳走」と呼ぶようになり、さらに料理や食事のもてなしそのものを指すようになりました。
この記事では、「ごちそうさま」の意味や語源、「馳走」の本来の意味、「いただきます」との違いまでわかりやすく解説します。
📖 「ごちそうさま」とは?意味を簡単に
「ごちそうさま」は、
食事でもてなしてもらったことへのお礼として述べるあいさつ
です。
現在では、自宅での食事でも、
「ごちそうさまでした。」
と言うことがあります。
食後に使うあいさつ
基本的には、
食事を終えたあと
に使います。
- ごちそうさま
- ごちそうさまでした
のどちらも使われます。
「ごちそうさまでした」の方が、より丁寧な響きがあります。
人にごちそうしてもらったときにも使う
食事そのものだけでなく、
「昨日はごちそうさまでした。」
のように、食事をごちそうしてくれた相手への礼としても使います。
この場合は、
食事を用意してくれたこと
もてなしてくれたこと
への感謝を表しています。
🌿 「ごちそうさま」の語源は「御馳走様」
「ごちそうさま」は漢字で、
御馳走様
と書きます。
言葉の成り立ちを見ると、
馳走
↓
御馳走
↓
御馳走様
という流れです。
「馳走」はもともと走り回ること
「馳走」の古い意味は、
走り回ること
奔走すること
です。
「馳」には駆ける・走るという意味があり、「走」も走ることを表します。
つまり「馳走」は、もともと食べ物の名前ではありませんでした。
「人のために奔走する」意味へ広がった
「馳走」はやがて、
人のためにあちこち動いて世話をする
という意味でも使われるようになります。
客を迎えるとなれば、
- 食材を用意する
- 酒をそろえる
- 食事を準備する
- 寝場所などを整える
など、さまざまな準備が必要です。
そうした、
相手をもてなすために力を尽くすこと
が「馳走」と呼ばれるようになりました。
🔍 なぜ「馳走」が料理を意味するようになった?
「馳走」の意味は、
走り回る
↓
人のために奔走する
↓
心を込めてもてなす
↓
もてなしのための料理
と広がっていきました。
もともとは料理だけではなかった
古い「馳走」は、食事だけに限った言葉ではありません。
世話をすること
面倒を見ること
心を込めてもてなすこと
まで含んでいました。
現在では「ごちそう」というと、
「豪華な料理」
を思い浮かべることが多いですが、もともとの中心には、
相手のために手を尽くす
という意味があります。
「御馳走」で丁寧な表現に
「馳走」に接頭語の「御」が付いたものが、
御馳走
です。
古くは、
心を込めたもてなし
を意味し、そのときに振る舞う料理も指しました。
そこから現在の、
「今日はごちそうだ。」
という使い方につながっています。
💬 「ごちそうさま」の「さま」は何?
「ごちそうさま」の「さま」は、
接尾語の「様」
です。
「御馳走」に「様」が付いた
「御馳走」に「様」が付き、
御馳走様
となりました。
そして、もてなしを受けた側が礼として、
「御馳走様。」
と述べるようになります。
現在では食後の決まったあいさつとして定着しています。
「豪華な料理でした」という意味だけではない
「ごちそうさま」は、
豪華な食事だったことだけをほめる言葉
ではありません。
もともとの「馳走」が「もてなし」を意味するため、
食事を用意し、もてなしてくれたことへの礼
として使われる言葉です。
「いただきます」と「ごちそうさま」の違い
食事のあいさつとして、
「いただきます」
「ごちそうさま」
はセットで覚えることが多い言葉です。
ただし、使う場面が違います。
「いただきます」は食べる前
「いただきます」は、
「いただく」から生まれた表現
です。
「いただく」は、もともと物を頭上に載せることから、敬意をもって受け取る意味へ広がりました。
食事では、
これから食べ物をいただく
ときに使います。
「ごちそうさま」は食べたあと
「ごちそうさま」は、
食事やもてなしに対する礼
として、食べ終えたあとに使います。
簡単に分けると、
いただきます
→ 食べる前
ごちそうさま
→ 食べたあと
です。
ただし、語源そのものは別々の言葉です。
「ごちそう」とは豪華な料理のこと?
現在では、その意味でも使います。
現代では「おいしい料理・ぜいたくな料理」
「誕生日だから今日はごちそうだ。」
という場合は、
普段より立派な料理
おいしい食べ物
という意味です。
本来は「もてなし」の意味もある
一方、
「友人の家でごちそうになった。」
という場合は、
食事でもてなしてもらった
という意味です。
「ごちそう」には現在でも、
料理
と
もてなし
の両方につながる意味が残っています。
❓ 「ごちそうさま」についてよくある質問
Q1. 「ごちそうさま」の意味は?
食事でもてなしてもらったことへの礼として述べるあいさつです。
Q2. 漢字ではどう書く?
「御馳走様」と書きます。
一般には「ごちそうさま」とひらがなで書くことも多くあります。
Q3. 「馳走」とは何?
もともとは「走り回ること」「奔走すること」を表す言葉です。
そこから、人のために世話をする、もてなすという意味へ広がりました。
Q4. なぜ走ることが料理につながった?
客をもてなすために、食材を集めたり準備をしたりと、人のためにあれこれ動き回ることから「馳走」が「もてなし」を意味するようになり、その料理も「御馳走」と呼ばれるようになりました。
Q5. 「ごちそう」は昔から豪華な料理という意味だった?
いいえ。古くは「馳走」に走り回る・世話をする・もてなすという意味があり、そこから料理を指すようになりました。
Q6. 「ごちそうさま」はいつから使われている?
現在につながる、食事やもてなしへの礼としての「御馳走様」は、江戸時代後期の文献にも用例が確認されています。
Q7. 「いただきます」との違いは?
「いただきます」は食べる前、「ごちそうさま」は食事を終えたあとに使うのが基本です。
Q8. 自分で作った料理でも「ごちそうさま」と言う?
言います。
現在の「ごちそうさま」は、誰かに豪華な料理をごちそうされた場合だけでなく、食事を終えたときの一般的なあいさつとして広く使われています。
🌱 まとめ
「ごちそうさま」は、
食事やもてなしへの感謝を表すあいさつ
です。
ポイントをまとめると、
- 漢字では「御馳走様」
- 「馳走」はもともと走り回る・奔走すること
- 人のために奔走することから、世話をする意味へ広がった
- さらに、心を込めてもてなすことを「馳走」と呼ぶようになった
- もてなしのための料理も「御馳走」と呼ばれるようになった
- 「御馳走様」は、そのもてなしへの礼の言葉
- 現在では食後の一般的なあいさつとして使われる
- 「いただきます」は食前、「ごちそうさま」は食後
- 「ごちそう」は豪華な料理だけでなく、もてなしという意味にもつながる
「ごちそうさま」の語源をたどると、
料理そのものより先に、人のために動き回る「馳走」があった
ことがわかります。
食材を用意し、食事を整え、客をもてなす。
そうした手間を含めた「御馳走」に対して、
「ごちそうさま」
と礼を述べるようになったのです。

