「これ、お願いします。」
「確認をお願いします。」
「今日もよろしくお願いします。」
私たちは日常でも仕事でも、頻繁に「お願いします」を使います。
依頼するときだけでなく、
- 注文するとき
- 人に物を渡すとき
- 自己紹介を締めるとき
- スポーツや稽古を始めるとき
など、使われる場面はさまざまです。
ところで、
「お願い」のもとの「願う」とは、そもそもどんな言葉なのでしょうか。
「願う」は、古くから神仏への祈りだけでなく、
物事の実現を望む
人に助力や配慮を求める
という意味でも使われてきました。
この記事では、「お願いします」の意味・語源、「願う」の成り立ち、「お願いいたします」「~してください」「よろしくお願いします」との違いまで解説します。
- 📖 「お願いします」とは?意味を簡単に
- 「お願いします」には依頼以外の使い方もある
- 🌿 「お願いします」のもとは「願う」
- 「願う」の語源は?
- 「願う」は万葉集にもある
- 「願う」はどうして人への依頼になった?
- 「お願い」はどうできた?
- 「お願いします」はどういう構造?
- 「お願いします」は謙譲語?
- 🔍 「お願いします」と「お願いいたします」の違い
- 「お願い致します」と書いてもいい?
- 🔍 「お願いします」と「~してください」の違い
- 🔍 「お願いします」と「よろしくお願いします」の違い
- 「よろしくお願いします」の「お願いします」も同じ?
- 🔍 「お願いします」と「頼みます」の違い
- 「お願いします」は命令ではない?
- 「お願いします」に「信頼」の意味はある?
- 「お願いします」は日本人の支え合い文化から生まれた?
- 💬 場面別「お願いします」の使い方
- 「お願いします」だけでは失礼になることもある?
- 💡 「お願いします」の言い換え
- ❓ 「お願いします」についてよくある質問
- 🌱 まとめ
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📖 「お願いします」とは?意味を簡単に
「お願いします」は、
相手に何かをしてほしいと求めるときに使う丁寧な表現
です。
たとえば、
「資料の確認をお願いします。」
なら、
資料を確認してほしい
という依頼です。
「コーヒーをお願いします。」
なら、
コーヒーをください
コーヒーを注文します
という意味になります。
「お願いします」には依頼以外の使い方もある
「お願いします」は非常に幅広い表現です。
行動を頼む
「明日までにご連絡をお願いします。」
相手に具体的な行動を求めています。
品物やサービスを求める
「これを一つお願いします。」
店などで注文するときの使い方です。
相手に任せる
「それでは、あとはお願いします。」
仕事や役割を相手に任せる意味です。
挨拶として使う
「今日もよろしくお願いします。」
この場合は、一つの具体的な行為ではなく、今後の関係や対応について頼む挨拶になっています。
🌿 「お願いします」のもとは「願う」
「お願い」のもとになっているのは、
願う
という動詞です。
古語では、
ねがふ
といいました。
「願う」の語源は?
辞書では「願う」は、
「ねぐ(請)」+反復・継続を表す「ふ」
からできたものとされています。
もとの「ねぐ」には、
請い求める
祈る
という意味があります。
つまり「願う」は、もともと、
何かの実現を求める
ことを表す非常に古い日本語です。
「願う」は万葉集にもある
「願う」は、万葉集にも用例があります。
古くから、
- 神仏に祈る
- 長寿などの実現を求める
- 心の中で望む
といった意味で使われました。
したがって、
最初は神仏への祈りだけだった
と限定する必要はありません。
「祈る」と「望む」の両方につながる語として古くから使われています。
「願う」はどうして人への依頼になった?
「願う」には、
こうなってほしいと望む
という意味があります。
そこから、
相手にこうしてほしいと求める
意味でも使われるようになります。
現在でも、
「ご協力を願います。」
「静かに願います。」
のように、
人に助力・配慮・行動を求める
用法があります。
「お願いします」も、この「人に求める」という意味につながっています。
「お願い」はどうできた?
「お願い」は、
動詞「願う」の連用形である、
願い
に、接頭語の、
お
が付いた形です。
「願い」だけなら、
- 願いがかなう
- 願いを聞く
- 願いを伝える
のように、希望・依頼そのものを表す名詞になります。
そこに「お」を付けて、
お願い
となります。
「お願いします」はどういう構造?
「お願いします」は、
お+願い+します
です。
つまり直訳的には、
お願いをします
という構造です。
現在では一まとまりの依頼表現として定着しています。
「します」は「する」の丁寧語なので、
「お願いする」
より丁寧な、
お願いします
になります。
「お願いします」は謙譲語?
「お願いします」全体を単純に「謙譲語」と呼ぶより、
丁寧な依頼表現
と考える方が分かりやすいでしょう。
「します」は丁寧な形ですが、
より敬意を高めたい場合には、
お願いいたします
が使われます。
🔍 「お願いします」と「お願いいたします」の違い
どちらも依頼に使えます。
「お願いします」
日常からビジネスまで広く使える丁寧な表現です。
「ご確認をお願いします。」
などと使います。
「お願いいたします」
「お願いする」の「する」を、
いたす
に変えた形です。
「いたす」は謙譲語なので、
「お願いします」より改まった場面で使いやすくなります。
たとえば、
「ご確認のほど、お願いいたします。」
などです。
「お願い致します」と書いてもいい?
一般的には、
お願いいたします
と「いたします」をひらがなで書くことがよくあります。
補助動詞として使う「いたす」は、ひらがな表記が読みやすいからです。
ただし「お願い致します」という表記を目にすることもあります。
ビジネス文書では表記ルールを社内で統一するとよいでしょう。
🔍 「お願いします」と「~してください」の違い
どちらも依頼できますが、伝え方が違います。
「~してください」は行動を直接示す
「確認してください。」
なら、
確認するという行為をしてください
と直接求めています。
「お願いします」は依頼として包む
「確認をお願いします。」
なら、
確認という行為を依頼します
という形です。
そのため「お願いします」の方が、やや柔らかく感じられる場合があります。
ただし、どちらが常に丁寧というわけではありません。
言い方や場面によって印象は変わります。
🔍 「お願いします」と「よろしくお願いします」の違い
よく似ていますが、同じではありません。
「お願いします」は具体的な依頼にも使える
「コピーをお願いします。」
「予約をお願いします。」
のように、
具体的に何をしてほしいか
を示せます。
「よろしくお願いします」は内容を広く相手に任せる
「よろしく」は、
適切に・よい具合に
という意味につながる言葉です。
そのため、
「今後ともよろしくお願いします。」
なら、
今後の関係をよい具合に取り計らってください
という、より広い挨拶になります。
「よろしくお願いします」の「お願いします」も同じ?
基本的には同じ「お願いする」です。
ただし、
「コピーをお願いします。」
では具体的な作業を頼んでいます。
一方、
「よろしくお願いします。」
では、「よろしく」の内容が文脈に委ねられています。
そのため、挨拶として非常に幅広く使えるのです。
🔍 「お願いします」と「頼みます」の違い
「頼む」も依頼を表します。
ただし、
「これを頼みます。」
は現代では少し硬かったり、場面によっては強く聞こえたりします。
「これをお願いします。」
の方が、日常の注文・依頼では自然なことが多いでしょう。
「お願いします」は命令ではない?
文法的には命令形ではありません。
相手に希望を示し、
依頼する形
です。
ただし、
「明日までにお願いします。」
のように、立場や状況によっては実質的に強い要求として受け取られることがあります。
「お願いします」と言えば必ず柔らかくなるわけではありません。
「お願いします」に「信頼」の意味はある?
相手に物事を任せる場面では、
結果として信頼のニュアンスを伴うことはあります。
たとえば、
「あとはお願いします。」
なら、
相手に仕事を任せる表現です。
ただし、
「お願いします」の語源そのものが“相手を信頼して託す”という意味だったわけではありません。
中心にあるのは、
相手に何かを求める・頼む
という意味です。
「お願いします」は日本人の支え合い文化から生まれた?
そのような文化的な読み方をすることはできますが、語源とは分ける必要があります。
「お願いします」は、
願う → 願い → お願いする → お願いします
という日本語内部の語形成で説明できます。
「日本社会では協力が重視されたから生まれた」
と断定する根拠はありません。
💬 場面別「お願いします」の使い方
店で注文する
「コーヒーを一つお願いします。」
自然で丁寧です。
仕事を頼む
「こちらの資料の確認をお願いします。」
具体的な依頼です。
電話をつなぐ
「営業部の田中さんをお願いします。」
田中さんへ取り次いでほしいという意味です。
相手に任せる
「それでは、よろしくお願いします。」
その後の対応を相手に委ねています。
スポーツ・稽古
「お願いします!」
対戦相手や指導者などに対する開始時の挨拶として使われます。
ここでは具体的な一つの依頼というより、
これからよろしくお願いします
に近い定型表現です。
「お願いします」だけでは失礼になることもある?
あります。
たとえば上司や取引先へ突然、
「明日までにお願いします。」
だけを書くと、命令に近く感じられる可能性があります。
その場合は、
「恐れ入りますが、明日までにご確認をお願いいたします。」
など、理由や配慮表現を添えると自然です。
💡 「お願いします」の言い換え
場面によって次のように言い換えられます。
日常的
- ~してください
- ~してもらえますか
- ~を頼みます
丁寧
- ~をお願いいたします
- ~していただけますでしょうか
- ~していただけますか
挨拶
- よろしくお願いします
- よろしくお願いいたします
- どうぞよろしくお願いします
❓ 「お願いします」についてよくある質問
Q1. 「お願いします」とはどういう意味?
相手に何かをしてほしいと求める丁寧な依頼表現です。注文や挨拶にも使われます。
Q2. 「お願いします」の語源は?
もとは「願う」です。「願う」は辞書で「ねぐ(請)」に反復・継続の「ふ」が付いた語と説明されています。
Q3. 「願う」はもともと神仏への祈り?
神仏への祈願は古い意味の一つですが、同じく古くから「望む・求める」という意味もあります。
Q4. 「お願いします」は謙譲語?
一般には丁寧な依頼表現です。より改まった「お願いいたします」では「いたす」という謙譲語が使われます。
Q5. 「お願いします」と「お願いいたします」の違いは?
「お願いいたします」の方が敬意を高めた改まった表現です。
Q6. 「お願いします」と「してください」の違いは?
「してください」は行動を直接求め、「お願いします」はその行動を依頼として表現します。
Q7. 「よろしくお願いします」と同じ意味?
完全には同じではありません。「お願いします」は具体的な依頼にも使えます。「よろしくお願いします」は今後の対応などを広く相手に委ねる挨拶として使われます。
Q8. 「お願い致します」と「お願いいたします」はどちら?
どちらも見かけますが、補助動詞として使う「いたします」は、ひらがなの「お願いいたします」と書くことが一般的です。
🌱 まとめ
「お願いします」は、日本語で非常によく使われる依頼表現です。
ポイントをまとめると、
- もとの動詞は「願う」
- 「願う」は古語「ねがふ」
- 「ねぐ(請)」+反復・継続の「ふ」が語源とされる
- 古くから神仏への祈願に使われた
- 同時に「望む・求める」という意味も古い
- のちに人へ助力・配慮を求める意味でも使われる
- 「お願い」は「願い」に「お」が付いた形
- 「お願いします」は「お願い+します」
- 具体的な依頼・注文・挨拶など幅広く使える
- 「お願いいたします」はより改まった表現
- 「してください」とは依頼の見せ方が異なる
- 「よろしくお願いします」はより広く相手に取り計らいを求める
- 「相手への信頼」が語源そのものではない
- 「日本の支え合い文化」が直接の語源ではない
旧記事では、
神仏への願い
↓
人への依頼
↓
相手を信頼して託す挨拶
という流れになっていました。
しかし実際の「願う」は、古くからもっと幅の広い言葉です。
祈る。望む。求める。そして、人に頼む。
その長い意味の広がりの中から、
「お願いします」
という現代の便利な依頼表現が使われるようになったと考える方が自然です。

