「宿題、めんどくさい。」
「説明するのがめんどくさい。」
「人間関係がめんどくさい。」
日常でとてもよく使う言葉ですが、
「めんどくさい」の“めんど”って何?
と考えると、少し不思議です。
結論からいうと、
「めんどくさい」は「面倒臭い(めんどうくさい)」が縮まった形
です。
そして「面倒」は、現在では「手間がかかってわずらわしい」「世話」という意味で使われますが、その語源は単純に「面」と「倒」を組み合わせたものではありません。
有力な説では、古い表現の、
「目だうな」
にさかのぼります。
この記事では、「めんどくさい」の意味・語源、「面倒」の由来、「めんどい」との関係、「だるい」「うっとうしい」との違いまで解説します。
📖 「めんどくさい」とは?意味を簡単に
「めんどくさい」は、
手間がかかる、わずらわしい、できればやりたくない
と感じる状態を表す言葉です。
作業に対して使う
たとえば、
- 書類を書くのがめんどくさい
- 掃除がめんどくさい
- 手続きがめんどくさい
などです。
ここでは、
手間が多い
わずらわしい
という意味が中心です。
人間関係や状況にも使う
「めんどくさい」は物事だけでなく、
- めんどくさい人
- めんどくさい関係
- めんどくさい話
のようにも使います。
この場合は、
関わるのに手間がかかる
対応するのがわずらわしい
という意味になります。
🌿 「めんどくさい」の語源
「めんどくさい」は、
面倒臭い(めんどうくさい)
から変化した言葉です。
「面倒臭い」から「めんどくさい」へ
「面倒臭い」は、
たいそう面倒である
という意味です。
そこから発音が縮まり、
めんどうくさい
↓
めんどくさい
という形が広く使われるようになりました。
「めんどくさい」の形も、江戸後期の文献に用例があります。
つまり、最近できた若者言葉ではありません。
「くさい」は本当に“臭い”の意味?
ここでの「くさい」は、
単ににおいがするという意味ではありません。
日本語の「~くさい」には、
そのような性質・感じが強い
という働きがあります。
たとえば、
- 古くさい
- 面倒くさい
- 胡散くさい
などです。
「面倒くさい」は、
いかにも面倒だ
ひどくわずらわしい
という意味の形容詞です。
🔍 「面倒」の語源は?
ここが旧記事と大きく違うポイントです。
「面」と「倒」に分けるのは誤り
「面倒」を、
面=人前
倒=倒れるほど負担
と分解して語源を説明することがあります。
しかし、これは辞書的な語源説明ではありません。
現在の「面倒」という漢字表記から、あとづけで意味を作った説明になってしまいます。
有力なのは「目だうな」説
辞書では、「面倒」の語源として、
「目だうな」
に由来する説が有力とされています。
「だうな」は、
むだになる
無益である
という意味を持った語です。
そのため「目だうな」は、
見るのもむだ
見る価値がない
という意味だったと考えられています。
そこから、
見苦しい
↓
わずらわしい
↓
手間がかかる
↓
世話・厄介
という意味へ広がったとされています。
「面倒」は最初から「世話」の意味だった?
いいえ。
現在では、
「子どもの面倒を見る。」
のように、
世話
という意味でも使います。
しかし古い用例では、
見苦しい
わずらわしい
という意味の方が先に確認されています。
「世話」の意味は、そこから後に広がったものです。
「面倒を見る」はどうして「世話をする」になる?
「面倒」には、
厄介なこと
手間のかかること
という意味があります。
そこから、
その厄介なことを引き受ける
手間をかけて世話をする
という意味で、
「面倒を見る」
が使われるようになりました。
現在では、
「子どもの面倒を見る」
「親の面倒を見る」
など、ごく普通の表現です。
🔍 「めんどくさい」と似た言葉の違い
「めんどくさい」は、「だるい」「うっとうしい」などと似ていますが、意味の中心は違います。
「めんどくさい」と「だるい」の違い
「めんどくさい」は、
その行為に手間がかかる、わずらわしい
という感覚です。
一方「だるい」は、
身体や気分が重く、動くのがおっくう
という意味が中心です。
たとえば、
「書類が多すぎてめんどくさい。」
なら、作業そのものの手間が問題です。
「今日は体がだるい。」
なら、身体や気力の重さが中心です。
簡単にいうと、
めんどくさい
→ 手間・わずらわしさ
だるい
→ 身体・気分の重さ
という違いがあります。
「めんどくさい」と「うっとうしい」の違い
「うっとうしい」は、
気分が晴れず、わずらわしく不快
という意味です。
たとえば、
「雨が続いてうっとうしい。」
「何度も同じことを言われてうっとうしい。」
のように使います。
一方、
「めんどくさい」は、
対応や作業に手間がかかる
ことが中心です。
「うっとうしい」は不快感寄り、
「めんどくさい」は手間・負担寄り、
と考えると分かりやすいでしょう。
「めんどい」と「めんどくさい」の違い
「めんどい」も、
面倒である
という意味です。
「めんどい」は昔からある
「めんどい」は最近の若者言葉のように感じるかもしれません。
しかし辞書には、近世の用例があります。
つまり、
「めんどい」は意外と古い言葉
です。
現代では「めんどい」の方がくだけている
現在では、
めんどくさい
よりも、
めんどい
の方が会話的でくだけた印象があります。
友人同士なら、
「それ、めんどいね。」
と言えますが、
改まった文章では「面倒だ」「面倒くさい」の方が使いやすいでしょう。
「めんどくさい」は感情語なの?
使い方によっては、感情を強く表します。
たとえば、
「何もするのがめんどくさい。」
なら、
単に作業量が多いだけではなく、
やる気が起きない
取りかかりたくない
という気持ちも含まれます。
ただし、
「気力が削られる」という意味が語源そのもの
ではありません。
現在の使い方の中で、手間や負担に対する心理的な反応まで表すようになっている、と考える方が自然です。
「めんどくさい=怠けている」という意味?
必ずしもそうではありません。
「めんどくさい」は、
手間や複雑さを負担に感じている
ことを表します。
たとえば、
「役所の手続きがめんどくさい。」
と言ったからといって、必ずしも怠けているわけではありません。
手続きが複雑で、
手間がかかること自体
をわずらわしく感じている場合もあります。
「めんどくさい人」とは?
「めんどくさい人」は、
関わると手間がかかる人
対応するのがわずらわしい人
という意味で使われます。
たとえば、
- 細かいことを何度も確認する
- すぐ話がこじれる
- 対応に気を使う
といった人を指す場合があります。
ただし、人への評価として使うと強く否定的に聞こえるため、本人に直接使う場合は注意が必要です。
「面倒」と「めんどくさい」は同じ?
意味はかなり近いですが、使い方が違います。
「面倒」は名詞・形容動詞
「面倒」は、
「面倒な作業」
「それは面倒だ」
のように使います。
「めんどくさい」は形容詞
「めんどくさい作業」
「それはめんどくさい」
のように使います。
意味としては近いですが、
「めんどくさい」の方が、
話し手自身がわずらわしいと感じているニュアンス
が出やすい表現です。
❓ 「めんどくさい」についてよくある質問
Q1. 「めんどくさい」の語源は?
「面倒臭い(めんどうくさい)」が縮まった形です。
Q2. 「面倒」の語源は?
辞書では「目だうな」に由来する説が有力です。「見るのもむだ」という意味から、「見苦しい」「わずらわしい」などへ意味が広がったとされています。
Q3. 「面」と「倒」からできた言葉?
その説明は一般的な語源説ではありません。「面倒」は後から当てられた表記と考えられています。
Q4. 「めんどくさい」は昔からある?
はい。江戸後期の文献に「めんどくさい」の用例があります。
Q5. 「めんどい」は若者言葉?
現在はくだけた言い方ですが、「めんどい」自体は近世から確認される古い言葉です。
Q6. 「めんどくさい」と「だるい」の違いは?
「めんどくさい」は手間やわずらわしさ、「だるい」は身体や気分の重さが中心です。
Q7. 「めんどくさい」と「うっとうしい」の違いは?
「めんどくさい」は手間・負担、「うっとうしい」は不快感・煩わしさが中心です。
Q8. 「めんどくさい」は怠けを意味する?
必ずしもそうではありません。手間や複雑さを負担に感じることを表す言葉です。
🌱 まとめ
「めんどくさい」は、
「面倒臭い」から変化した言葉
です。
ポイントをまとめると、
- 「めんどくさい」は「面倒臭い」の縮まった形
- 江戸後期には用例がある
- 「面倒」は「面+倒」と単純に分けない
- 語源は「目だうな」とする説が有力
- 「目だうな」は「見るのもむだ」という意味につながる
- そこから「見苦しい」「わずらわしい」へ意味が広がった
- 後に「手間」「世話」の意味も生まれた
- 「めんどい」も近世からある
- 「だるい」は身体・気分の重さ
- 「うっとうしい」は不快感が中心
- 「めんどくさい」は手間・わずらわしさが中心
- 「気力の消耗」が語源そのものではない
「めんどくさい」は、
単なる、
やりたくない
だけの言葉ではありません。
その前には、
手間がかかる
わずらわしい
対応するのが厄介だ
という感覚があります。
さらに面白いのは、
現在の「面倒」という漢字から想像する語源と、実際に辞書で説明される歴史がかなり違うことです。
「面倒」は最初から、
世話や気配り
を意味していたわけではありません。
古い意味をたどると、
見苦しい
わずらわしい
というところから、現在の「面倒」「めんどくさい」へつながっているのです。

