家を出るときに使う「いってきます」と、出かける人を送り出すときの「いってらっしゃい」。
この2つは、日常生活で対になって使われる挨拶です。
どちらも外出に関係する言葉ですが、伝えている内容は異なります。
「いってきます」は自分が出かけることを伝える表現で、「いってらっしゃい」は相手を送り出すときに使います。
この記事では、それぞれの言葉の意味や成り立ち、使い方を例文とともに解説します。
「いってきます」と「いってらっしゃい」の違い
まずは、2つの挨拶の意味と使う場面を整理しましょう。
出かける本人が使うのか、出かける人を見送る側が使うのかが大きな違いです。
| 言葉 | 使う人 | 主な意味 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| いってきます | 出かける本人 | 出かけて、また戻ってくることを伝える | 家や職場などを出るとき |
| いってらっしゃい | 見送る人 | 相手を送り出し、出発を見守る | 家族や同僚などが出かけるとき |
たとえば、家族が仕事に出かけるとき、出発する人は「いってきます」と声をかけ、家に残る人は「いってらっしゃい」と返します。
2つの言葉が組み合わさることで、出発する側と見送る側の気持ちが伝わります。
「いってきます」の意味と成り立ち
「いってきます」は、「行く」と「来る」を組み合わせた形の挨拶です。
出かけることだけでなく、出かけたあとに戻ってくることも含んだ表現として使われています。
「行ってきます」は行くことと戻ることを含む表現
「いってきます」は、漢字を使うと「行ってきます」と書きます。
「行って」は目的地へ向かうこと、「きます」は話し手の側へ戻ることを表す形です。
この言葉には、単にその場を離れるというだけでなく、出かけてから戻るという流れが感じられます。
そのため、日常の外出時に使う挨拶として定着しています。
ただし、すべての外出で必ず戻ることを約束するという意味ではありません。
実際の使い方では、出かけることを周囲に知らせる定型的な挨拶として用いられます。
出かけることを伝える挨拶としての使い方
「いってきます」は、家族や同居人に限らず、普段過ごしている場所から出発するときに使われます。
職場や学校などでも、習慣や相手との関係によって自然に使われることがあります。
この挨拶をすることで、出かけることを周囲に知らせ、見送る人が声をかけるきっかけにもなります。
必ずしも行き先や帰宅時間を詳しく伝える言葉ではありません。
「いってらっしゃい」の意味と成り立ち
「いってらっしゃい」は、出かける相手を送り出すときに使う挨拶です。
「いってきます」が出発する側の言葉なのに対し、「いってらっしゃい」は見送る側の言葉です。
相手を送り出す言葉
「いってらっしゃい」には、相手が出かけることを受け止め、送り出す気持ちが込められています。
家庭では、仕事や学校へ向かう家族にかける言葉としてよく使われます。
相手の安全や無事を願う気持ちと結びついて使われることもありますが、言葉そのものを「必ず無事に帰ってくるように」という意味だけに限定することはできません。
日常では、出発時の挨拶として幅広く使われています。
「行っていらっしゃい」との関係
「いってらっしゃい」は、「行く」と「いらっしゃる」に関係する形を含む表現として理解できます。
「いらっしゃる」は、「行く」「来る」「いる」にあたる尊敬語として使われる言葉です。
ただし、現在の挨拶の形がどのような過程を経て定着したかについては、言葉の構成だけから細かな歴史を断定することはできません。
語の形から意味を考えることと、歴史的な成立過程を証明することは分けて捉える必要があります。
「いってきます」と「いってらっしゃい」の使い方と例文
2つの挨拶は、出発する人と見送る人がそれぞれの立場で使います。
よくある場面を例に、自然な使い方を確認しましょう。
家を出るとき
家族や同居人がいるときは、出かける側が「いってきます」、見送る側が「いってらっしゃい」と声をかけるのが一般的です。
- 出かける人:「いってきます。夕方には帰る予定です」
- 見送る人:「いってらっしゃい。気をつけてね」
- 出かける人:「それでは、いってきます」
- 見送る人:「はい、いってらっしゃい」
「気をつけてね」のような一言を添えると、相手を気遣う気持ちをより具体的に伝えられます。
学校や仕事などに出かけるとき
学校や職場でも、親しい相手との間では同じように使えます。
ただし、職場では社風や相手との関係によって、挨拶の仕方が異なる場合があります。
- 同僚に:「では、外出してきます」
- 同僚を見送るとき:「いってらっしゃい」
- 親しい先生や友人に:「いってきます。またあとで」
- 家族に:「いってきます。帰りが遅くなるときは連絡するね」
仕事上の外出では「外出してきます」「行ってまいります」など、状況に応じて丁寧な表現を選ぶこともできます。
「いってきます」と「いってらっしゃい」を使うときの注意点
どちらも身近な挨拶ですが、相手や場面に合わせて使うことが大切です。
特に、誰が出かけるのかを意識すると、自然に使い分けられます。
相手の予定や状況に合わせて声をかける
出かける本人が自分の行動を伝えるなら「いってきます」、相手を送り出すなら「いってらっしゃい」を使います。
相手が急いでいるときや、会話を交わす余裕がないときは、無理に長い言葉をかける必要はありません。
また、職場や学校などでは、その場で普段使われている挨拶に合わせるとよいでしょう。
家庭での習慣をそのまま別の場所に当てはめるのではなく、状況に応じて選ぶことが大切です。
挨拶の返答を一律に求めない
「いってきます」と「いってらっしゃい」は、対になって使われることの多い言葉です。
しかし、相手が電話中だったり、急いでいたりする場合など、必ずしも毎回返答できるとは限りません。
挨拶の形だけにこだわるよりも、相手の状況を考えながら、無理のない形で声をかけ合うことが大切です。
「いってきます」と「ただいま」の関係
「いってきます」は出発するときの挨拶で、「ただいま」は戻ってきたときの挨拶です。
どちらも、外出して戻るという日常の流れに関係しています。
「いってきます」と言って出かけた人が帰宅したときには、「ただいま」と声をかけることがあります。
それに対して、迎える側は「おかえり」と返します。
「ただいま」の意味や語源について詳しく知りたい場合は、「ただいま」の語源を解説した記事も参考にしてください。
まとめ
「いってきます」は、出かける本人が出発を伝える挨拶です。
一方、「いってらっしゃい」は、出かける相手を見送るときに使います。
「いってきます」には行って戻るという流れが含まれ、「いってらっしゃい」は相手を送り出す表現として日常に定着しています。
2つの言葉は役割が異なりますが、どちらも人と人との日常的なやり取りを支える挨拶です。
ほかの挨拶の語源や成り立ちについては、日本の挨拶の語源・由来一覧もご覧ください。
