「趣のある古い町並み」
「この庭には趣がある」
「趣がある」は、建物・景色・文章などについて使われることの多い表現です。
なんとなく、
「いい雰囲気がある」
「味わいがある」
という意味だとわかっていても、
「風情がある」「味がある」と何が違うのか迷うこともあるでしょう。
「趣がある」とは、簡単にいうと、
そのものから独特の風情や味わいが感じられること
です。
派手さや新しさをほめる言葉ではなく、見たり聞いたりすることで、しみじみとした良さや心を引かれる味わいを感じるときに使います。
この記事では、「趣がある」の意味や使い方、例文、「風情がある」「味がある」との違いまでわかりやすく解説します。
📖 「趣がある」とは?意味を簡単に
「趣がある」は、
そのものから風情・情趣・味わいが感じられる
という意味です。
「趣」には、
そのものが感じさせる風情や、しみじみとした味わい
という意味があります。
建物や景色によく使う
たとえば、
- 趣のある古民家
- 趣のある庭
- 趣のある路地
- 趣のある風景
などと使います。
この場合は、
新しくて豪華だから良い
という意味ではありません。
古さ、静けさ、造り、周囲の景色などが合わさって、独特の良さを感じさせることを表します。
文章や作品にも使える
「趣」は景色だけの言葉ではありません。
- 趣のある文章
- 趣のある作品
- 趣のある音楽
などにも使えます。
この場合も、
単純に上手・美しいというだけではない味わい
を表しています。
🌿 「趣」の意味と成り立ち
「趣」は、
おもむき
と読みます。
現在では「風情・味わい」という意味がよく知られていますが、もともとはもっと広い意味を持つ言葉です。
「趣」は「おもむく」からできた言葉
「趣(おもむき)」は、動詞
おもむく
の連用形が名詞になったものです。
「おもむく」には、
ある方向へ向かう
という意味があります。
古くは「趣」にも、
- ある方向へ向かうこと
- 心がある方向へ動くこと
- 物事の内容や方向
- 状況や様子
などの意味がありました。
「味わい・風情」の意味へ
そこから「趣」は、
物事から感じられる情趣・風情・面白み
という意味でも使われるようになりました。
現在の、
「趣がある」
という表現では、この意味が使われています。
💬 「趣がある」の使い方と例文
「趣がある」は、さまざまなものを評価するときに使えます。
建物について
「古い木造の旅館には独特の趣がある。」
→ 古さや造りなどから、味わい深い雰囲気が感じられる。
「石畳の道に趣のある町家が並んでいる。」
→ 町家や景観から風情を感じる。
景色について
「雪の積もった庭もまた趣がある。」
→ いつもとは違う風情や味わいがある。
「夕暮れの海には昼間とは違った趣がある。」
→ 時間帯によって別の情緒が感じられる。
文章・作品について
「簡潔だが趣のある文章だ。」
→ 派手ではないものの、味わいや情緒が感じられる。
「この器は素朴だが趣がある。」
→ 豪華ではなくても、独特の良さがある。
🔍 「趣がある」と「風情がある」の違い
「趣」と「風情」はかなり近い言葉です。
「風情がある」は雰囲気を表しやすい
「風情がある」は、
しみじみとした雰囲気や情緒が感じられる
ときによく使います。
- 風情のある温泉街
- 風情のある庭
- 風情のある夜景
などです。
「趣がある」は味わいまで含みやすい
「趣がある」も雰囲気を表しますが、
そのもの独特の味わいや面白み
まで含めて評価するときに使いやすい言葉です。
大まかには、
風情がある
→ 情緒のある雰囲気
趣がある
→ そのもの独特の風情・味わい
と考えるとわかりやすいでしょう。
ただし、実際には重なる場面も多くあります。
「趣がある」と「味がある」の違い
「味がある」も、独特の良さを表す表現です。
「味がある」は人にも使いやすい
「味がある」は、
完璧ではなくても、独特の魅力がある
という意味で使われます。
- 味のある顔
- 味のある字
- 味のある俳優
- 味のある建物
などです。
人や表情、文字などにも自然に使えます。
「趣がある」は風情を感じるものに使いやすい
「趣がある」は、
- 建物
- 景色
- 庭
- 文章
- 作品
など、
そこから情緒や風情を感じるもの
に特によく使われます。
そのため、
味がある
→ 個性的で独特の魅力がある
趣がある
→ 風情や情趣を感じさせる味わいがある
という違いがあります。
「趣がある」は褒め言葉?
基本的には褒め言葉です。
派手ではない良さを評価する
「趣がある」は、
目立つ
豪華
新しい
という種類の褒め方ではありません。
むしろ、
- 古さ
- 素朴さ
- 静けさ
- 落ち着き
- 独特の雰囲気
などの中に良さを感じたときに使います。
「古い」と「趣がある」は違う
古いものなら何でも「趣がある」わけではありません。
たとえば、
「古くて傷んだ建物」
と、
「趣のある古い建物」
では印象が違います。
「趣がある」には、
その古さや雰囲気に魅力を感じている
という評価が含まれています。
❓ 「趣がある」についてよくある質問
Q1. 「趣がある」とはどういう意味?
そのものから風情・情趣・独特の味わいが感じられることです。
Q2. 「趣」は何と読む?
「おもむき」と読みます。
Q3. 「趣がある」は褒め言葉?
基本的には褒め言葉です。
そのものに独特の風情や魅力を感じていることを表します。
Q4. 「趣がある」は人にも使える?
絶対に使えないわけではありませんが、建物・景色・作品などに使う方が一般的です。
人の個性的な魅力を表すなら、「味がある」の方が自然な場合があります。
Q5. 「趣がある」と「風情がある」の違いは?
「風情がある」は情緒のある雰囲気を表しやすく、「趣がある」はそのもの独特の風情や味わいまで含めて表しやすい言葉です。
Q6. 「趣がある」と「味がある」の違いは?
「味がある」は独特の魅力を広く表せます。「趣がある」は、特に風情・情緒・しみじみとした味わいを感じるものに使われます。
Q7. 「趣深い」とは同じ意味?
かなり近い表現です。
「趣深い」は、
趣が深く感じられる
情趣に富んでいる
という意味で、「趣がある」よりもやや文章語的な響きがあります。
🌱 まとめ
「趣がある」は、
そのものから風情や情趣、独特の味わいが感じられること
を表します。
ポイントをまとめると、
- 「趣」は「おもむき」と読む
- 「趣がある」は風情・味わいが感じられるという意味
- 建物・景色・庭・作品などによく使う
- 「趣」は動詞「おもむく」の連用形からできた名詞
- 古くは方向・心の動き・内容・様子など幅広い意味を持った
- 現在は風情・情趣・味わいという意味でも使う
- 「風情がある」は情緒ある雰囲気を表しやすい
- 「味がある」は個性的な魅力を広く表せる
- 「趣がある」は基本的に好意的な表現
- 古ければ何でも「趣がある」というわけではない
「趣がある」は、
派手だから良い
新しいから良い
という評価ではありません。
静かな景色や古い建物、素朴な器などの中に、
そのものならではの風情や味わいを感じる
ときにぴったりの言葉です。

