「うすい」は “厚みが少ない・濃度が弱い” という日常語ですが、語源は “弱まる・透ける” に関わる古語から来ています。
語源は
「う(弱)」=力が弱い/少ない
「す(透)」=すきとおる・薄くなる
が組み合わさったもの。
つまり「うすい」は
“力が弱く、すっと透けるような状態”
を表す言葉でした。
本来は物の厚さだけでなく、
光・味・色・感情まで
“存在感がすこし軽くなる” 様子を指していました。
本記事では、「うすい」の語源と、日本語が“薄さ”に込めてきた繊細な感覚を深掘りします。
▼まず読まれている関連記事
➡「あつい」の語源
➡「かたい」の語源
➡「やわらかい」の語源
「うすい」の意味をひと言でいうと?
現代の意味は大きく5つ
「うすい」は“程度が弱い”をベースに、以下5つに広がる
- 厚さが少ない(物理)
- 濃度が弱い(味・色)
- 量が少ない(物の量)
- 感情が弱い(抽象)
- 存在感・影が薄い(比喩)
語源の中心は
“弱さ・透ける・薄らぐ”。
使われ方の例
- 紙がうすい
- 味がうすい
- 色がうすい
- 影がうすい
- 記憶がうすい
- 関係がうすい
物から心まで幅広く使われる便利語。
「うすい」の語源・由来(結論)
語源の結論まとめ
語源は
「う(弱)」+「す(透))」。
- 力が弱い
- 色・形が透ける
- 存在感が弱まる
これらが結びついて
“うすい(薄い)”が成立した。
古語の背景
『万葉集』では
“薄(うす)き衣”“薄ける影”
など、
“透けて見える・軽い・淡い” のニュアンスが中心。
物理的な厚さより
視覚的な“透け感・淡さ”が本来の中心。
「うすい」はどう意味を広げたのか?
元になった古語のイメージ
う(弱)
=弱い・やわらぐ・おとろえる
す(透)
=光が抜ける・すり抜ける・薄まる
これらが合体して
“存在の強さが弱まり、透ける状態”
が語源の核。
意味の拡大プロセス
- 視覚的な“薄さ”(透ける)
- 厚みの少なさ
- 色の淡さ・味の薄さ
- 記憶・感情が弱まる
- 「影がうすい」=存在感が弱い(比喩)
古語 → 視覚 → 物理 → 抽象
という珍しい変化ルート。
「うすい」に隠れる文化的ストーリー
“薄さ”は日本文化の美意識
日本文化には
“淡さ・透け感”を美とする価値観 がある。
例:
・薄化粧
・薄茶(うすちゃ)
・薄墨色
・薄造り(刺身)
・障子の光の透け方
“強い主張より、淡い存在感を美として味わう”
という美意識とつながる。
“過ぎた濃さは野暮”という美学
濃すぎる味・厚すぎる服・主張の強い態度より
“ほどよい薄さ” が品とされる時代もあった。
「うすい」という言葉には、日本的な“控えめの美”が反映されている。
似た言葉・類義語・誤解
類義語の違い
・「ほそい」
→ 幅や太さの話。量的。
・「かるい」
→ 重量・負担が軽い。
・「うすい」
→ 本質は“弱く透ける”。
よくある誤解
“うすい=質が悪い”という誤解があるが、
語源は
“淡さ・ほどよい軽さ” を評価していた。
“薄味=上品”という評価も、語源の流れを汲む。
語源エピソードを“たね”にした比喩ストーリー
日常の比喩
「うすい」は、朝の霧が静かに街を包むときのような言葉です。
あたりは見えるのに、輪郭だけが少しぼやける。
その微妙な“透け感”が、うすさの本質です。
語源イメージを広げる例え話
薄い和紙が光を通す様子は、“うすい”の語源をそのまま示している。
光が紙をすり抜け、影だけがほんのり残る。
それは、“弱さではなく、余白を楽しむ力” でもあった。
まとめ:うすいの語源を知ると何が変わる?
語源からわかる本質
「うすい」は
“う(弱)+す(透)”=弱まって透ける
という自然な現象を表した語。
読者へのメッセージ
“薄さ”は劣ることではなく、淡さ・軽さ・透け感の美 を表現する日本語。
語源を知ると、うすさに込められた繊細な美意識が見えてくる。

