「おもしろい」は、娯楽・笑い・興味・感動――
あらゆる「心の揺れ」をひとまとめにできる便利な言葉ですが、語源は意外にも “趣(おもむき)がある”=心が向く方向がある にあります。
古語「おもし(面白)/おもしろし」は、“ぱっと明るくなる・心が晴れやかになる・趣がある”
という意味で、笑いよりも “心が開ける感じ” が原点でした。
本記事では、「おもしろい」の語源の深さと、現代の“面白い=funny”とは異なる日本語の世界観を深掘りします。
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「おもしろい」の意味をひと言でいうと?
現在の意味の要点
「おもしろい」は “心が動き、興味・喜び・笑いが生まれる状態” を表す言葉。
現在では大きく3つの意味が共存します
- 楽しい・笑える(funny)
- 興味深い(interesting)
- 趣がある・味わいがある
日本語ならではの“趣の深さ”まで含む希有な語です。
日常での使われ方
- 映画がおもしろい
- 性格がおもしろい
- 話し方がおもしろい
- 構図がおもしろい
- 企画の発想がおもしろい
笑いに限らず、“心を引き寄せられるもの”すべてに使われます。
「おもしろい」の語源・由来(まずは結論)
語源の結論まとめ
語源は 古語「おもし(面白)」
意味は “ぱっと明るくなる・晴れやかになる・趣がある”。
語構造は
- 「面(おも)」=顔・表面
- 「白(しろ)」=明るい・白い・晴れる
→ “顔が白くなる=明るく晴れやかになる”
が原義。
これが 心が明るくなる → 心が動く → 興味深い という意味へ発展しました。
最初の用例と時代背景
平安時代の文学には「おもし」「おもしろし」の形で多く登場し、意味は “明るい・心地よい・趣がある・気分が晴れる”。
笑うというより “しっとりとした美しさ・味わい”が中心。
現代の“funny”寄りの意味は後世に広がったものです。
なぜ「面白い」が“funny”の意味も持つようになったのか
元になった古語・漢字・表記
「面白」は当初 “明るく心が動く”=“面(表情)が白くなる” ことを示す語。
そこから 興味 → 感動 → 笑い と心の動きが多方向に広がり、現代の意味が成立。
「白」には“明るい(しら)”という古語があり、「おもしろい」は “心を明るくするもの”が本質。
意味が変化したプロセス
「明るく心地よい」
→ “趣がある・味わい深い”
→ “興味深い”
→ “楽しい”
→ “面白い=funny” も含む
という順に拡張。
“面白い=笑える”は日本語の歴史では後半に登場した新しい感覚です。
「おもしろい」に隠れる文化的ストーリー
当時の価値観・社会背景
平安時代の美意識では、“はかなさ・風情・季節の移ろい”が価値とされ、“趣(おもむき)”こそが面白さの中心でした。
現代の「おもしろい(funny)」と違い、“深い味わい”にこそ価値が置かれていました。
現代の感覚とのギャップ
・笑える
・楽しい
・興味がある
・味わい深い
この4つを同時に言える言語は珍しく、日本語の「おもしろい」は世界的にも独特の広さを持っています。
これは語源の “心を明るくする=白(しろ)” という豊かなイメージの派生といえます。
似た言葉・類義語・よくある誤解
類義語との違い
・「たのしい」
→ 喜び・快感が中心。
・「興味深い」
→ もっと知りたい知的好奇心。
・「ユニーク」
→ 独創的で変わっている。
・「おもしろい」
→ 心が動くもの全般(最も広い)。
誤用されがちなケース
“funny” と “interesting” を同じ言葉で表すため、外国語話者には理解されにくい。
語源的には
- 面=表情
- 白=明るい
なので、“表情が明るくなるほど心が動くもの” が「おもしろい」です。
語源エピソードを“たね”にした比喩ストーリー
日常生活での比喩
「おもしろい」は、朝のカーテンを開けた瞬間に部屋へ差し込む光のような言葉です。
何かがふっと心に触れ、気がつけば表情が明るくなっている。
驚きでも、笑いでも、感動でも、その光が心の奥を照らしていきます。
語源のイメージを広げる例え話
「面白い」の語源である“面(表情)が白くなる”という変化は、曇った空に穴があき、一筋の光が地上へ落ちる瞬間に似ています。
その光に導かれるように、心の方向(趣)が決まっていく──
そんな“心の明るさの発見”が「おもしろい」の本質です。
まとめ:おもしろいの語源を知ると何が変わる?
語源からわかる本質
「おもしろい」は“面が白くなる=心が明るくなる”が原点で、笑えるものから趣のあるものまで、
心が動くすべてを表す日本語です。
読者への気づきメッセージ
面白さは笑いだけではありません。
思わず心がぱっと開く瞬間、それこそが“おもしろい”。
語源を知ることで、あなたの面白さの感性がもっと豊かになります。

