「おもしろい」の語源は“おもむろ(趣)”──心が引き寄せられる“深い味わい”の日本語

性質・状態語の語源

「おもしろい」は、娯楽・笑い・興味・感動――

あらゆる「心の揺れ」をひとまとめにできる便利な言葉ですが、語源は意外にも “趣(おもむき)がある”=心が向く方向がある にあります。

古語「おもし(面白)/おもしろし」は、“ぱっと明るくなる・心が晴れやかになる・趣がある”
という意味で、笑いよりも “心が開ける感じ” が原点でした。

本記事では、「おもしろい」の語源の深さと、現代の“面白い=funny”とは異なる日本語の世界観を深掘りします。

▼まず読まれている関連記事
「たのしい」の語源
「うれしみ」の語源
「うつくしい」の語源

「おもしろい」の意味をひと言でいうと?

現在の意味の要点

「おもしろい」は “心が動き、興味・喜び・笑いが生まれる状態” を表す言葉。

現在では大きく3つの意味が共存します

  1. 楽しい・笑える(funny)
  2. 興味深い(interesting)
  3. 趣がある・味わいがある

日本語ならではの“趣の深さ”まで含む希有な語です。

日常での使われ方

  • 映画がおもしろい
  • 性格がおもしろい
  • 話し方がおもしろい
  • 構図がおもしろい
  • 企画の発想がおもしろい

笑いに限らず、“心を引き寄せられるもの”すべてに使われます。

「おもしろい」の語源・由来(まずは結論)

語源の結論まとめ

語源は 古語「おもし(面白)」

意味は “ぱっと明るくなる・晴れやかになる・趣がある”。

語構造は

  • 「面(おも)」=顔・表面
  • 「白(しろ)」=明るい・白い・晴れる

→ “顔が白くなる=明るく晴れやかになる”
が原義。

これが 心が明るくなる → 心が動く → 興味深い という意味へ発展しました。

最初の用例と時代背景

平安時代の文学には「おもし」「おもしろし」の形で多く登場し、意味は “明るい・心地よい・趣がある・気分が晴れる”。

笑うというより “しっとりとした美しさ・味わい”が中心。

現代の“funny”寄りの意味は後世に広がったものです。

なぜ「面白い」が“funny”の意味も持つようになったのか

元になった古語・漢字・表記

「面白」は当初 “明るく心が動く”=“面(表情)が白くなる” ことを示す語。

そこから 興味 → 感動 → 笑い と心の動きが多方向に広がり、現代の意味が成立。

「白」には“明るい(しら)”という古語があり、「おもしろい」は “心を明るくするもの”が本質。

意味が変化したプロセス

「明るく心地よい」
→ “趣がある・味わい深い”
→ “興味深い”
→ “楽しい”
→ “面白い=funny” も含む
という順に拡張。

“面白い=笑える”は日本語の歴史では後半に登場した新しい感覚です。

「おもしろい」に隠れる文化的ストーリー

当時の価値観・社会背景

平安時代の美意識では、“はかなさ・風情・季節の移ろい”が価値とされ、“趣(おもむき)”こそが面白さの中心でした。

現代の「おもしろい(funny)」と違い、“深い味わい”にこそ価値が置かれていました。

現代の感覚とのギャップ

・笑える
・楽しい
・興味がある
・味わい深い

この4つを同時に言える言語は珍しく、日本語の「おもしろい」は世界的にも独特の広さを持っています。

これは語源の “心を明るくする=白(しろ)” という豊かなイメージの派生といえます。

似た言葉・類義語・よくある誤解

類義語との違い

・「たのしい」
 → 喜び・快感が中心。

・「興味深い」
→ もっと知りたい知的好奇心。

・「ユニーク」
→ 独創的で変わっている。

・「おもしろい」
→ 心が動くもの全般(最も広い)。

誤用されがちなケース

“funny” と “interesting” を同じ言葉で表すため、外国語話者には理解されにくい。

語源的には

  • 面=表情
  • 白=明るい

なので、“表情が明るくなるほど心が動くもの” が「おもしろい」です。

語源エピソードを“たね”にした比喩ストーリー

日常生活での比喩

「おもしろい」は、朝のカーテンを開けた瞬間に部屋へ差し込む光のような言葉です。

何かがふっと心に触れ、気がつけば表情が明るくなっている。

驚きでも、笑いでも、感動でも、その光が心の奥を照らしていきます。

語源のイメージを広げる例え話

「面白い」の語源である“面(表情)が白くなる”という変化は、曇った空に穴があき、一筋の光が地上へ落ちる瞬間に似ています。

その光に導かれるように、心の方向(趣)が決まっていく──

そんな“心の明るさの発見”が「おもしろい」の本質です。

まとめ:おもしろいの語源を知ると何が変わる?

語源からわかる本質

「おもしろい」は“面が白くなる=心が明るくなる”が原点で、笑えるものから趣のあるものまで、
心が動くすべてを表す日本語です。

読者への気づきメッセージ

面白さは笑いだけではありません。

思わず心がぱっと開く瞬間、それこそが“おもしろい”。

語源を知ることで、あなたの面白さの感性がもっと豊かになります。

関連記事

「たのしい」の語源
「うれしみ」の語源
「うつくしい」の語源

タイトルとURLをコピーしました